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クリエイティブ起業のすすめ

デジタルコンテンツなどのクリエイティブ分野で起業を目指す人に向けて、自分の体験をベースに役立つ考え方やノウハウを提供したいと思っています。

ネットビジネスを高速回転!「メカニズム分解&定点観測」法

お客の購買行動をメカニズム分解する、という方法論
ネットの世界で、コンテンツや通販サイトを成長させる方法論をひとつ紹介したい。
起業当初、まだ赤字の頃に自分で編み出したのだが、多分、他のネット企業も似たような方法を取っている。デジタルならではの方法論なので、出版業やリアル店舗などアナログビジネスの人に話すと驚かれることが多い。
 
その方法とは、一言でいうと「顧客の購買行動をメカニズム分解し、課題解決を繰り返す」というものだ。当社の原動力のひとつである。
 
繁盛レストランを分解する
ネット上には、たくさんのコンテンツや通販サイトがあふれているが、儲けはランキング上位のサイトに集中するという。上位のサイトは、その他大勢と何が違うのか?そう考え始めたが、ネット上のサイトだとイメージしづらいので、リアル世界で考えてみた。ネットもリアルも、商売の原則は変わらないはずだ。リアルの街で考えると、カフェやレストランがネットのサイトに近い。街にあふれていて、流行っているのはその一部なのだから。そこで、街のレストランの繁盛の理由を分析してみた。
 
僕が良く行くイタリア料理店。料理は確かにおいしい。でも、それだけではない。
薄張グラスの冷えたビールなど、飲み物にも神経が行き届いている。テーブルやカウンターのレイアウトも考えられていて、2人でも家族5人で行っても対応してくれる。入口の飾りつけも、いつも季節のものが飾られているし、席案内などオペレーションもよい。着席すると、すぐおしぼりと今日の小皿が出てくる。デザート選びも楽しみのひとつだ。支払い時、レジの近くにチーズ各種がお土産物として並んでいるのもいい。最初にこの店に入ったのは、通りにお品書きと雑誌の記事が出ていたからだった。
 
以上、お店を評価する要素を整理すると6種になり、下の順に並べられる。各項目は、同じ重みをもつように分解したつもりである。
1 立地 2 店構え 3 席案内、店内インテリア、メニュー 4 メイン料理
5 前菜、スープ、サラダ、デザート、飲み物  6 お土産

 
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こう整理すると、お店を流行らせるには、メイン料理のみに注力するより、店構えや席案内、前菜、飲み物にも力を入れるべきだと分かる。全体のバランスを整えながら、総満足度を高くすることを目指すべきだ。立地は簡単には変えられないが、新しく出店するなら、得意の客層が多いところに出すべきだろう。
 
お客さんが不満足な項目を察知できれば、そこの改善に注力すればよい。逆に、すでに十分満足な項目で完璧を目指しても、報われることは少ない。お客さんの評価を定期取得する工夫も必要だ。
 
ネットビジネスに応用し、各項目の好不調を定点観測する
この購買行動メカニズムをネットにも応用したのが僕の方法論だ。
立地とは、どの街に店を出すかという事で、ネットでいうと、例えばどのポータルサイトに広告を出すか、ということになる。店構えはトップ頁だし、席案内やインテリアはメニュー構成にあたる。
 

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お客の各項目の満足度は、前項目からの移行率を算出すればよい。ネットの場合、前項目で不満足ならば、お客さんはそのサイトからはいなくなってしまう。次のアクションに何割の人が移行したかが重要だ。
 
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ネットでは、こういった指標をリアルタイムで取得することは難しくない。サイトの必要箇所にフラグを埋め込めばよい。管理画面で数字を見やすくしておくと、日毎でも週毎でも、各項目の好不調が一目でわかる。これを定点観測という。評価指標はKPIとも呼ばれるが、個数を絞り込むことが肝心だ。評価項目が多すぎると、直感的な判断が難しくなる。5~7が適当だろう。不調な項目は、原因を追究し対策を講じ、それを定期的に繰り返す。
 
メカニズムを示すことで、社員による改善が効き始め、業績が右肩上がりに
起業3年目の頃、コンテンツ会という定例会を始めた。各社員に担当コンテンツの改善アイデアを発表してもらう会だ。当初、提案レベルは低かった。こんなコーナーを作りたい、ユーザーに受けると思うなど、個人欲求や憶測からの提案や、新しい媒体に出稿してみたい、理由は広告会社から割安料金を提案されたなど。
 
それでも面白そうなアイデアをいくつか実行した。しかし、結果に結び付くのは、アイデアの面白さではなかった。今そこに対策が必要かどうか、が分かれ目だったのだ。集客が必要なのにコーナー充実に力を注いでも無意味な事は、上のメカニズムを理解すれば当たり前のことだ。頭痛に必要なのは胃薬でなく頭痛薬である。当時はそういった整理ができていなかった。しかも人間は、どうしてもアイデアが面白いかどうかに目が行きがちだ。
 
20代前半の社員は、ロジカルシンキングを学び、思考法はある程度身に付いている。コンテンツを良くしようとする意欲もある。しかし、ビジネスの全体像が把握できない。特にネットビジネスは形がないので難しいのだろう。結果が出ないと、やる気も薄れていく。
 
ここで、結局年季が必要なのかと諦めてはいけない。ビジネスモデルの全体像と構成要素を示せるのは経営者だけなのだから。僕は、詳細かつ簡潔なメカニズム図を整理し、全社員に説明した。定点観測も整備した。それからは、社員のエネルギーがピンポイントに集中され、施策がバンバン奏功し、業績が右肩上がり!になったのだった(本当!?)。
 
この方法は数学的アプローチなので、文化背景にかかわらず効果が出せるはず。そう思って、サンフランのスマホコンテンツにも応用しているが、数字がようやくいい感じで上がってきた。この数学思考の正しさが証明されつつある。
 
◇旧来の「月額コンテンツ」でのメカニズム

月額コンテンツ

 

2014/09/03執筆 再掲