クリエイティブ起業のすすめ

デジタルコンテンツなどのクリエイティブ分野で起業を目指す人に向けて、自分の体験をベースに役立つ考え方やノウハウを提供したいと思っています。

業績のブレークスルーを生みだす 「本気ハッタリ」!

覚悟して、ハッタリをかます

「100億円を目指す」 起業まもない頃、ベンチャーキャピタルにそう言い切っていた。正社員は自分達2人だけ。売上は1千万円。それを千倍にできるのか?「自信がない」では投資してくれないが、「必ずできる」と断言しても、最終的にはやってみなければわからない。しかし投資家が見ているのは、起業家の覚悟なのだ。僕は、必ずそこまでやると、本気の覚悟でそう言った。

 

起業家にハッタリは欠かせないが、ハッタリだけで成功できるほど甘くはない。ほとんどが失敗に終わる世界だ。成功する人のハッタリは、失敗する人のと何が違うのか?

 

 

孫正義ジョブズ、ベゾスのハッタリと、その方法論。

孫正義は、創業時、ミカン箱の上でアルバイト社員に向かい、「会社を1兆2兆規模にする!」と大見えを切り、呆れられた。しかしその後、買収をテコにした拡大路線で、24年後には売上1兆円を突破した。

 

ジョブズは、Macを世に出した1984年、「打倒IBM」のCMを発表した。しかし、その翌年にはアップルを追われてしまった。カラフルで流線型のiMacで箱型のIBM的PCを打ち負かす大ヒットを飛ばしたのは、自分を招聘してくれたギル・アメリオを追い落とし復帰した12年後だった。

 

ジェフ・ベゾスは、ウォール街を辞め3人で会社を始めたが、しばらく後、「世界最大の書店を目指す」と仲間に宣言し、社名を世界最大の河川アマゾンと改称した。その後、利益のすべてを設備投資に回すという戦法で、赤字を続けながらも、2011年に全米2位の書店チェーン、バーンズを倒産に追い込んだ。創業17年目のことだ。

 

ハッタリ宣言した彼らの方法論は、上のように、ひとつの戦略で語られることが多い。しかし、その戦略は、頭で考えスッと出てきた訳ではなく、あの手この手の試行錯誤から生み出されたに違いない。なぜなら、彼らの業績グラフは、長い低迷期間を経て、ある時急に右肩上がりを始めるからだ。数年、数十年かけて練り上げられた、精巧な方法論なのだ。

 

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本気のハッタリで自分を追い込み、必死で方法論を見つけ出す

必死で方法論を探し続けていると、珠玉の情報に出会ったり、方法論の芽が見えてきたりするものだ。仲間も増えてくる。

 

僕の場合も、起業当初は、数十人の部下を持つのも初めての経験だし、事業成長のノウハウなど何も持っていなかった。しかし、4年間の失敗の山から、ドラマと女性ユーザーの方法論を掴み、「100恋」「歌詞キュン」というヒットを産み出した。7年目には「恋愛ゲーム」に至り、その後6年間、大勢の社員を引っ張り、ノウハウを積み上げていった。100億に至ったのは15年目だ。

 

起業家は、リスクを恐れず試行錯誤を続け、正解に近づいていくしかない。簡単な事ではない。これを実現するのに最も大切なことは、長期間、全力疾走を続けることだ。本気のハッタリとは、その力の源なのだと思う。起業家は、ハッタリ宣言することで自分を追い込み、パワーに代えていくのだ。

 

逆に、失敗する人は、ハッタリを本気で言ってない。その場限りの言い逃れで、相手にも自分にも嘘をついている。投資家は、ハッタリを言う起業家の目を、冷静に見据える。それが本気の覚悟なのか、ただの言い逃れか、判断するために。仲間とて同じだ。本気でない者には、誰もついてこない。

 

デカいハッタリは、全力集中を持続させる。それが成功の秘訣

目標はデカい方が面白いし、気持ちも固まる。失敗したら人に笑われるから、全力を投じる。失敗しても、自分の限界だと諦めもつくし、過程で得るものも多い。失うのはちっぽけなプライドに過ぎない。恐れず、本気のハッタリ宣言を始めてみよう。必ず、方法の光は見え、味方も現れる。

 

 

2014/03/16執筆 再掲